コラム

足場の親綱の張り方や設置基準を紹介

投稿日:2023.9.29  更新日:2023.12.25

足場工事などでは、安全確保が非常に重要なため、親綱の設置が必要です。
親綱という言葉になじみがない建設現場の作業員の方もいるかもしれませんが、親綱は高所作業現場での命綱となります。
高所で作業する際には、安全対策を正しく理解した上で実施することが不可欠です。

そこで今回の記事では、親綱の設置方法、親綱支柱の使い方、強度の試験方法と基準、さらに親綱の使用上の注意点などについて解説します。

 

中古足場販売の株式会社カセツ商会

足場の親綱とは

親綱とは墜落防止用の保護具である安全帯をかけるためのロープです。
ナイロンやポリエステルで作られたものや、ワイヤーを中に通してさらに強度を高めた丈夫なものがあります。

親綱の設置方法

親綱は緊張器に通して、たるまないようにピンと張った状態で取り付けます。
張りが弱いと、事故のリスクが高まりますので、使用時は注意してください。
また、親綱を固定する支柱のスパン(柱と柱の距離)は10m以下にし、1人が1つのスパンで作業することが基本です。
複数の人が作業を行う場合には、作業者の人数に応じて親綱を適切に設置する必要があります。

親綱支柱の使用方法

親綱支柱は、親綱を設置するときに使用する支柱のことです。
支柱は奥まで鉄骨フランジに差し込み、しっかりと締め付けボルトを締めてください。
ロープを使用する際には、必ず安全帯(墜落防止のための保護具)を装着し、その安全帯にロープを接続します。

安全帯は体全体を支えるようなものを選ぶと、体への負担が最小限に抑えられます。
特に、胴ベルト型の場合、D環(ストラップ巻取り部)は後方に位置するように調節しましょう。
D環が身体の前方にあると、万が一墜落した際に、鯖折り状態(腹部を上にして体が曲がってしまう)になるため、非常に危険です。

ロープをつなぐ際には、つねに落下時の事態を想定しましょう。
たとえば、自分よりも下の位置に接続すると、落下時に大きなダメージを受ける可能性が高まります。
したがって、ロープは自分よりも高い位置に接続するように心がけましょう。
さらに、尖った物に触れることがないように気をつけてください。
予期せぬ事態が発生した際、ロープが切れる可能性があるためです。

親綱の強度の試験方法と基準

親綱の強度は、特定の基準を満たす必要があります。
また、フックが有るか無いかによって、試験方法と求められる強度に違いがあるため、それぞれについて詳細を説明します。

通常の親綱の場合

通常のフックのない親綱の場合、ロープの「伸び試験」と「強度試験」を行います。
最初に0.3kNの初期荷重をかけ、つぎに親綱に引張荷重をかけて、荷重が7.0kNに達した際の伸び率を測定します。
この場合、伸び率は次の式により算出し、引張速度については、15cm/min~30cm/min とします。
伸び率の計算式は以下の通りです。

7kNのときの標点間の長さ÷標点間の元の長さ-標点間の元の長さ

伸び率が10%未満であれば、安全な親綱と判断されます。
強度試験においては、荷重の最大値が23.0kN以上であることが必要です。

フック付き親綱の場合

親綱にフックが付いている場合、「引張強度試験」を実施します。
まず引張用の金具にフックをかけ、試験機に取り付け、引張荷重11.5kNをかけていきます。
この段階で、フックや金具に何らかの異常がないことを確認し、破断や変形、損傷などが見つからず、外れ止めの機能も正常であれば問題なしです。

足場の親綱の使用上の注意点

注意することは、親綱と支柱の両方の強度を確認することです。
親綱の強度が十分足りていても、支柱の強度が不足していると、墜落の危険性が高まる可能性があるためです。
また、親綱支柱は、落下阻止性能試験で基準を達成したものを選びましょう。

足場用親綱の品質管理の重要性

命に関わる親綱の品質管理は非常に重要です。
ロープが損傷していないか、著しい摩耗などの兆候がないか、定期的な点検が必要です。
また、目に見える損傷がない場合でも、長期間使用した親綱は定期的に交換するべきです。

具体的には、水平親綱支柱システムの各部品が変形や摩耗していないか、親綱支柱の取り付け金具などの取り付け箇所が正常に機能しているか、そして緊張器が正常に動作しているかを定期的に確認しましょう。

もし異常が見られた場合は、すぐに使用を中止し、必要な修理などの措置を講じるべきです。

強度不足で支柱用親綱として使用できない例

親綱は、通常、強度を確認するために試験が行われれば、問題なく使用できますが、法令で許容されないケースが存在します。

親綱に外部からの損傷、たとえば切り傷がある場合、明らかな摩耗や溶解によって断裂が進行している場合、または使用中に落下による衝撃を受けた場合などが該当します。

足場の親綱を正しく設置して作業の安全性を確保

親綱は、高所での作業中の落下事故を防ぐために不可欠なものです。
事故やけがを予防するためには、親綱を高い位置に確実に張ることが重要です。
作業の安全性を確保するためには、定期的に摩耗や損傷の有無を点検し、品質管理を徹底しましょう。

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