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吊り足場には、地面から組み上げる足場とは異なる特徴があります。地面の状態を問わず足場を組める点が魅力です。
ここでは、吊り足場の概要と種類、メリット・デメリットなどを解説しています。さらに、基本的な設置方法や解体方法なども紹介しています。
吊り足場の強み・弱みなどを把握したい方は参考にしてください。
目次
吊り足場は、下から組み上げるのではなく上から吊り下げる足場です。具体的には、構造物の上からチェーン・パイプ・金具・作業板を吊り下げて足場を構築します。
垂直ではなく、水平に足場を展開していく点が特徴です。橋梁工事や高層ビルのメンテナンスなどで用いられています。
下記の記事では、吊り足場の他にも足場の種類について詳しく紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事:足場の種類はなにがある?必要な資材も併せて紹介
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吊り足場は、大きく「吊り枠足場」と「吊り棚足場」にわかれます。
吊り枠足場は、構造物から既成の足場を吊り下げるタイプです。地上で組み立ててから所定の位置にセットします。
吊り棚足場は、構造物の上から吊りチェーンで井の字の形に組んだ足場用単管・角型鋼管などを吊り下げて、これに作業板をかけるタイプです。地上で足場を組めないときなどに採用されます。
吊り足場の主なメリットとして以下の3点があげられます。
構造物から吊り下げるため、地面の状態を問わず足場を設置できます。例えば、橋梁やプラントなど、他の足場を組み立てられない現場やコスト的に厳しい現場でも対応できる可能性があります。特に、高所で行う水平方向の作業には強みを発揮するでしょう。
工期を短縮しやすい点も魅力です。吊り足場は、移動床を用いて延長できます。移動のたびに、地面から足場を組み上げていく必要はありません。他の足場と比べて、工期を短縮できるケースが多いでしょう。
作業時の安全性を確保しやすい点もメリットとしてあげられます。吊り足場では、基本的に手摺りの内側で作業を行います。危険性の高い足場に思えますが、作業時における一定の安全性は確保できるようになっています。
吊り足場にはデメリットもあります。気を付けたいポイントは次の通りです。
空中で作業を行わなければならないため組立には高い技術を要求されます。もちろん、危険も伴います。安全に作業を行うため、一定の経験を有する作業主任者などが欠かせません。また、チームとしての対応力も求められるでしょう。組立の難易度が高い点はデメリットです。
構造物から吊り下げるため、吊り足場は地面と接していません。他の足場よりも不安定になりやすい傾向があります。一定の安全性を確保できる仕組みは導入されていますが、それでも大事故のリスクは存在します。この点を理解したうえで、組立あるいは作業を行わなければなりません。
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ここからは、吊り足場の基本的な組み立て方を紹介します。
組立前の準備として、危険を伴う箇所の整理と共有、ルールに基づく有資格者の配置、保護具や工具などの点検を行います。吊り足場を設置する場合、足場組立等作業主任者・玉掛け技能講習修了者を基本的に配置しなければなりません。
下記の記事では、足場の作業で必要な資格について詳しく紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事:足場の作業で求められる資格とそれぞれの取得方法
最初に、安全帯をかける親綱などの安全設備を設置します。次に、吊りチェーンを取り付けて、ここにおやごパイプ、その上にころばしパイプを設置します。ころばしパイプの上にのせるのが作業板です。作業板を敷き詰めたら、手すりと落下防止網を設置します。
工事が終わったら吊り足場を解体します。基本的な流れは組立の反対です。具体的には、落下防止網、足場板、ころばしパイプ、おやごパイプの順で解体していきます。最後に、吊りチェーンを解体してクレーンなどで荷下ろしをすれば完了です。
解体作業を終えたら、後片付けを行います。ポイントは、使用した工具類などの状態・数量をチェックしてから、荷崩れなどを起こさないように整理することです。整理を終えてから、作業を行ったエリアを清掃します。
ここでは、吊り足場の概要や種類、特徴などを解説しました。構造物から吊り下げる足場を吊り足場といいます。下から組み上げる必要がないため、地面の状態を問わず足場を組める可能性があります。同様の理由で、工期を短縮しやすい点も魅力です。ただし、組み立てや作業には一定の危険を伴います。有資格者を適切に配置して作業を行うなどの取り組みが必要です。わずかな不注意が大事故につながる恐れがあります。ルールを守って、吊り足場を活用しましょう。
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