コラム

足場のスタンションとは?概要と使用前に理解しておきたい注意点

投稿日:2023.7.12  更新日:2024.1.10

足場を組み立てるときなどに用いられる部材としてスタンションがあげられます。

スタンションは、作業員の墜落や転落などを防ぐ目的で使用されます。製品により用途は異なるため、理解を深めてから使用することが重要です。

ここでは、スタンションの概要と種類を解説するとともに使用にあたり押さえておきたい注意点、価格の相場などを紹介しています。高所で作業を行う方などは確認しておきましょう。

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足場のスタンションとは?

足場のスタンションは、転落・墜落の恐れがある箇所に設置される仮設の手摺り(墜落防護工)です。

開口部などにスタンションを設置し、そこに単管パイプやロープなどを通して仮設の手摺りにします。この方法で使用するときは、ガードポスト・取付金具付束柱と呼ばれることもあります。主な設置場所として、作業床の縁、開口部などがあげられます。足場の組立時や足場をかけなくても作業を行える高所などで用いられるケースが多いでしょう。

特徴的な形状をしているため、始めて扱う場合は取り付け方で悩むことが少なくありません。基本的な使用方法を押さえておくと、取り付け方をイメージしやすくなります。

下記の記事では、仮設について詳しく紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事:足場とともに用いる「架設」の意味と「仮設」との違い

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足場のスタンションの種類

仮設構造物の安全性を確保するため、一般社団法人仮設工業会は認定制度を実施しています。この制度に基づき、設置場所によりスタンションを第1種と第2種にわけているメーカーがあります。第1種と第2種の違いは次の通りです。

 

種別 概要
第1種 荷揚げ用開口部・荷揚げ構台・仮設階段踊り場・トラック桟橋・土止壁上部に設置するもので床面の上から上桟上面までの高さが95cm以上のもの
第2種 1種以外の箇所に設置するもので、床の上から上桟上面までの高さが90cm以上のもの

 

第1種を第2種として、第2種を第1種として、第1種と第2種を一緒に使用することはできません。また、一般社団法人仮設工業会が定めるスタンション(正確にはガードポスト)の認定基準は、親綱支柱としての性能を保証するものではありません。

スタンションを使用する際の注意点

一般社団法人仮設工業会が定める認定基準では、墜落や転落を防止する目的で、上桟や中桟を取り付ける束柱をガードボストといいます。

前述の通り、この認定基準は親綱支柱としての性能を保証するものではありません。親綱支柱をスタンションと呼ぶこともあるため、製品ごとの用途を確かめておく必要があります。
「防護柵を設置するための製品です。親綱支柱としては使用できません」などの記載がある場合は、用途を守って使用しましょう。

一般社団法人仮設工業会はガードポストの使用基準も定めています。組立・使用にあたっての注意点をまとめると以下のようになります。

【組立方法・使用方法など】

  • 取り付け間隔は2m以下とする
  • ねじれ・転倒・浮き上がりが生じない箇所に設置する
  • 物体の落下により作業者に危険が及ぶ恐れがあるときは、取り付け部周辺に高さ10cm以上の幅木などの設備を設ける
  • 歩行中・作業中における衣類などの巻き込みを防ぐため、ガードポストの手摺り・中桟の取り付け部などの突起物にカバーを設ける

同様に、禁止事項をまとめると次のようになります。

【禁止事項】

  • 手摺り・中桟に可撓性のものを使用しない
  • ガードポスト本体・手摺り・中桟を安全帯取り付け設備として使用しない
  • ガードポスト本体・手摺り・中桟を壁つなぎ・足場板などの支持点・資材吊り上げの吊り元として使用しない
  • ガードポストに取り付けた手摺り・中桟に乗らない
  • ガードポストに取り付けた手摺り・中桟に材料などの吊り下げ・積載・立てかけを行わない

出典:一般社団法人仮設工業会「ガードポストの認定基準の一部改要旨」

これらに注意してスタンションを使用しましょう。

下記の記事では、足場の中桟について紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事:足場の「下さん」「中さん」の概要と労働安全衛生規則改正の経緯

スタンションの価格の相場

スタンションの価格は製品により異なります。一般的な目安を示すと、1本あたり30,000~60,000円程度といえるでしょう。設置本数が多くなると、当然ながらコストは大きくなります。価格が気になる場合は、最初に必要な本数を算出しておくとよいかもしれません。

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スタンションと併用する親綱支柱とは

親綱支柱は、親綱をたわみなく張るための支柱です。親綱は、安全帯(命綱)のフックをかけるロープといえるでしょう。スタンションの中には、親綱支柱として活用できるものがあります。基本的な使用方法は次の通りです。

【使用方法】

  1. 墜落・転落の危険がある開口部などに親綱支柱(スタンション)を設置する
  2. 親綱支柱(スタンション)に親綱を通す

以上の方法で手すりを作ります。

高所の作業でスタンションを活用しましょう

ここでは、足場のスタンションについて解説しました。スタンションは、作業床の縁、開口部など、墜落・転落の危険がある場所に設置する仮設の手摺りです。製品によっては、第1種と第2種にわかれます。また、親綱支柱として使用できるものもあれば使用できないものもあります。各製品の詳細を確認してから設置することが重要といえるでしょう。高所で安全かつ効率よく作業を行いたい方は、この記事を参考にスタンションの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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