足場の敷板とは｜設置目的・設置方法と敷盤・敷角との違い

敷板を設置する目的や敷板の設置方法がわからず困っていませんか。
一見すると単なる板ですが、敷板は足場のトラブルを防ぐ重要な役割を果たしています。

目的を理解して、正しく設置することが重要です。ここでは敷板を設置する目的と敷板の設置方法を解説するとともに敷盤・敷角との違いを説明しています。
以下の情報を参考にすれば、なぜ設置しなければならないか、どのように設置すればよいかがわかるはずです。
敷板について理解を深めたい方は確認しておきましょう。

足場における敷板とは

敷板は合板などを材料とする木製の足場板です。長さの目安は3～4m程度、幅の目安は30cm程度といえるでしょう。
混同しやすいものとして敷角・敷盤があげられます。それぞれの概要、敷板との違いは次の通りです。

敷盤や敷角との違い

敷盤は、十分な強度をもつ材料を使用した縦・横24cm角以上の部材です。
主な材料はブラスチック・鉄といえるでしょう。同じ条件で、木製の材料を用いたものを敷角といいます。
これらは、支柱（ジャッキ）の下に敷く土台として使用します。使用する目的は、足場の滑動または沈下を防ぐことです。前者は滑ってずれること、後者は沈み下がることといえます。
これらが生じると、足場が倒壊するなどのトラブルが起こりえます。
それほど大きな部材ではありませんが、敷盤・敷角は重要な役割を果たしているといえるでしょう。

下記の記事では、ジャッキについて詳しく紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事：ジャッキベースとは？種類や価格相場、使い方をわかりやすく解説

敷板を使う目的

敷板を使う目的は「労働安全衛生規則」と厚生労働省が発表している「足場先行工法に関するガイドライン」で示されています。
労働安全衛生規則570条（鋼管足場）に記載されている内容は次の通りです。

足場（脚輪を取り付けた移動式足場を除く。）の脚部には、足場の滑動又は沈下を防止するため、ベース金具を用い、かつ、敷板、敷角等を用い、根がらみを設ける等の措置を講ずること。

出典：e-GOV法令検索「昭和四十七年労働省令第三十二号労働安全衛生規則」

ここでは、敷板を用いる目的として足場の滑動・沈下を防ぐことがあげられています。
足場先行工法に関するガイドラインでは、どのように記載されているのでしょうか。「（3）敷板及び敷盤等」の項に記載されている内容は次の通りです。

足場には敷板を用いること。ただし、地盤の不等沈下のおそれがない場合には敷盤等を使用することができる。

出典：厚生労働省「足場先行工法に関するガイドライン 」

ここで示されている敷板の使用目的は、沈下、特に不等沈下を防ぐことといえるでしょう。
不等沈下は、足場の支柱が不揃いに沈下することです。一カ所に荷重が集中するため、足場に大きなダメージを与える恐れがあります。

敷板は敷盤・敷角に比べて面積が大きいため、沈下を防ぐ効果が大きいといえます。また、同じ板に複数の支柱を載せられるため、不等沈下を防ぐ効果も敷盤・敷角より大きくなります。
したがって、不等沈下の恐れがある場合に使用することとなっているのです。敷盤・敷角は、硬い地盤など、沈下のリスクが小さいときに使用します。
この場合に考えられるリスクは滑動です。敷板・敷盤・敷角は、地盤の状態に合わせて選択することが重要といえるでしょう。

 

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敷板の設置方法（釘打ちの方法）

敷板はどのように設置すればよいのでしょうか。基本的な流れは以下の通りです。

【設置方法】

1. 地面を平らにならしてから敷板を並べる
2. 1の敷板の上にベース金具（ジャッキベース）をのせる
3. 敷板とベース金具（ジャッキベース）を釘などで固定する

ベース金具が敷板から外れると滑動や沈下を防止できません。
したがって、敷板とベース金具を釘などで固定します。釘止めの箇所は2カ所以上です。水没のリスクがある場合はジャッキの増し締めを行います。
敷板の下に空洞がある場合は砂をいれた麻袋で埋めます。

ちなみに、一般社団法人仮設工業会が発表している「くさび緊結式足場の組立及び使用に関する技術基準」で、敷板にねじ管式ジャッキ型ベースの金具を釘止め（2カ所以上）した場合、敷板方向の根がらみを省略できることが示されています。
また、沈下のリスクがない場合も、滑動を防ぐため釘止めしなければならないと記載されています。

下記の記事では、ベースについて詳しく紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事：足場に用いられるベースの基本的な役割と主な種類

敷板は足場のトラブルを防ぐ

ここでは、敷板の概要や敷盤・敷角との違いについて解説しました。
敷板は、足場のトラブルを防ぐために用いられる幅30cm、長さ3～4m程度の足場板といえるでしょう。
敷盤・敷角より大きいうえ、複数の支柱をのせられるため、不同沈下を防ぐ効果は大きいと考えられています。
万が一を防ぐため、適切に設置しましょう。設置にあたって、2カ所以上の釘止めを忘れないことが重要です。

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