足場のクランプとは？役割や主な種類を紹介

足場クランプは足場を組むときに欠かせない部材です。単管パイプの締める際に用いられ、足場の形状に合わせたいくつか種類があります。

この記事では、足場を作るときに使われるクランプの主な種類について詳しく解説します。

足場作業に携わる方や建設業界に関わる方のほか、足場クランプを探している方は、ぜひ参考にしてください。

足場を作るときに使うクランプとは？

クランプとは英語で「締める」を意味する言葉で、対象のものを挟んで、状態を固定するための作業工具のことを指します。工場作業や木工作業などで行われる、切断、組み立て、材料の接着などで使われます。

足場を組む際に主に使われるのが単管クランプです。単管クランプは、パイプを交差または平行して締め付け固定する際に使用します。締め付けには一般的に、ラチェットレンチかインパクトドライバーが用いられますが、ゆるみがないように、最後の締め付けにはトルククランチを使用することもあります。

クランプの主な種類

単管パイプに合わせて、いくつか種類があります。強固な足場にして安全を確保するためには、ケースに合わせたクランプを必ず使用しましょう。ここでは、クランプの主な種類について紹介します。

同径単管クランプ

同径単管クランプは、単管パイプと支柱をつなぐためのクランプのことです。一般的な足場用の単管パイプの太さが48.6dφであるため、48.6同径クランプとも呼ばれます。

直交型クランプ

パイプの交差する角度を直角に固定するクランプで、最もよく採用されています。鋼材の引張力の最大強度である引張強度は1,500㎏以上、許容荷重は500㎏で、非常に強度が高いのが特徴です。ただ、1スパンあたりの積載荷重は400㎏までなので注意が必要です。

自在型クランプ

任意の角度で固定できるクランプのことです。2つのクランプのつなぎ目が動くので、パイプの角度を好きなように変えられます。自由な角度で締められるというメリットがある一方、決めた角度に固定できないというデメリットもあります。また、引張強度1,000㎏以上、許容荷重は350㎏で、直交型のクランプに比べて強度が低くなっています。そのため、自在型クランプ単体で足場を組み立てることはほとんどなく、直交クランプの強度を補う役割で用いることが多いです。

下記の記事では、足場の最大積載荷重について紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事：足場の最大積載荷重とは？各足場の基準と表示義務について

3連クランプ

直交型または自在型に単クランプをあわせた金具です。3本の単管パイプの交差緊結などに用いられます。

兼用クランプ

兼用クランプは、単管パイプにも枠組足場にも両方使えるように作られたクランプです。枠組足場のパイプは単管パイプよりも細いため、同径単管クランプでは締められません。兼用クランプは、48.6φの単管パイプ、42.7φの異形パイプにも使用できるので、クランプを使い分ける必要がなくなり、管理が楽になります。兼用クランプにも、直交型と自在型の2種類があります。

直交型クランプ

兼用クランプの直交型も直角に固定されたクランプで、許容荷重は500㎏です。

自在型クランプ

360度回転する使い勝手が良いクランプです。しかし、許容荷重が低くなるため、しっかりと固定するために、直交型クランプと組み合わせて使用されます。

ベース

足場の基礎となる部材の1つで、建地の脚部に取りつけて支柱や単管パイプの固定や建物の沈下を防ぐなどの目的で使用されます。パイプの足場を固定する固定ベースや高さ調整が可能なジャッキベース、可動性のある自在ベースなどがあります。

下記の記事では、ベースの基本的な役割や種類について詳しく紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事：足場に用いられるベースの基本的な役割と主な種類

適切なクランプを使用し足場の安全を確保しよう

足場を作るときに使用する足場クランプについて解説してきました。

足場には主に単管クランプが用いられます。単管クランプには、同径単管クランプと兼用クランプがあり、それぞれに90度に固定する直交型と任意の角度に調整して固定できる自在型があります。

足場の安全を確保するためには、それぞれのクランプの特性を把握し、足場の形状にあったクランプを採用することが重要です。

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